茹で蛙の盆踊り

茹で蛙の盆踊り

アラフォーサラリーマンが、まぬけな子育て話などをお届けします

書き捨てる習慣

Julia Cameron が著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」の中で提唱していた "モーニングページ" と言うのが結構好きで僕も毎日ではないけどちょいちょいやっている。

モーニングページというのは、自分の頭の中に浮かんできたものを紙にそのまま書き出していくというもので、それ自体は非常に単純。思ったことをただ書いていくだけでOKというもの。これを全く知らない人にとっては「何それ?意味あるの?」と言った感じかもしれないけど、これがかなり効果があるので個人的にはおすすめ。モーニングページと書いているけど、「書く瞑想」と同類なんじゃないかと思う。思ったことをひたすら文字にしていくので、自分の思考がどうやってさまよっていくのかが視覚的にわかる。

人間の思考っていうのは本当にはちゃめちゃで、刹那刹那で本当によくもまあそんなに思っていることが変わるなと感心するくらい目まぐるしく変わる。「あー、お菓子食いたいなぁ。あ、LINE返さないと。あー、もう仕事いきたくねえ。そうだYouTube観よう」なんて感じでほんの数秒でもころころと考えていることが変わっていく。目が覚めている間は四六時中こんな感じだからそりゃ疲れるわなあと思う。こんな感じで頭の中は常に混沌としているので、頭のいい人は別として、僕のような凡人は頭の中で思考するということができない。これは本当に面白いくらいにできない。考えているように見えて反芻思考しているだけで前に進んでいないことがほとんどだ。

モーニングページみたいに頭の中にあるものを書き出して、やっと自分の考えていることがなんなのかわかるし、反芻思考から抜け出せる。時には問題の解決策も見出すことができる。モーニングページで自分は結構救われたところがあると思う。これがなかったら、自分とちゃんと向き合うことができなかったかもしれない。人間、自分ほど自分をちゃんと理解していないものはないと思う。モーニングページで書きまくっていると、「あ、そうか俺はこう思っていたんだ」とか「これがしたかったんだ」という発見があるのが面白い。自分で自分のことを気づいていないんだなあと思う。ただし、諸法無我なので、そうやって新しく見つけた自分こそが自分だと勝手に規定しちゃうのもちょっと危ないからほどほどにした方がいいと思うけど。

モーニングページの効果は僕には抜群だったけど、唯一弱点があった。それは「書き残す」ということ。最近までこの書き残すことの弱点にあまり気づいていなかった。書き残すことによって、自分の心に遠慮が生じてしまっていたのだ。本当に書きたいこと、本当に心に浮かんだことを少しだけ差し引いて書いていた。ノートに「書き残す」という前提にしてしまうと、いくら保管を完璧にしたところで、「もしかしたら誰かに見られるかもしれない」という可能性がでてくる。

デスノートのライトは頭脳明晰で用心深く、ノートを厳重に保管していた(させていた)にもかかわらず最終的にはニアに取られてしまった。日本一の秀才くんでもこうなのだから、一般のご家庭でノートを保管していたら、誰かにみられる可能性は結構高いかもしれない。

普通、他人のノートを勝手に見る悪趣味は人はあんまりいないだろうと思うけど、「誰かに見られる」可能性が0.1%でもあると、ノートに書く内容に手加減が入ってくる。僕なんかは、「今日事故って死んで、家族が遺品整理をしたらこのノートが白日の元に晒されてしまったら、悲しいはずの通夜と葬式がファニーなことになっちまう!!」という恐怖感を少し持っている。そうなると、やっぱりどうしても他人の目を意識してしまう。あまりにも大それたことや社会的に許されないような内容は敬遠することになり、自分の本心とはなんぞといったことが少しだけみにくくなる。

これを解消するにはどうするか?結構答えは簡単だった。「破り捨てる」だけ。書いたら捨てる。実に単純明快だし、この技法は昔から知っていたのに、何故か実行していなかった。この前読んだ本で「書き捨てろ!」と書いてあって、ハッとさせられたのだ。やはりこういうのは、その言葉に出会うタイミングが重要だなと思う。「知っているのに気づかない」ということが多々あるからだ。

貧乏性なので、せっかく色々書いたものを捨ててしまうのがもったいないと思っていたかもしれない。でも「書き捨てる」という考えを得て、そういう方法があったのかと膝を打った。めちゃくちゃ普通のことなのにね(笑)。

書いた次の瞬間捨ててしまえば何も気にしないで心に浮かんできたことを書き出せる!この効果はなかなかすごい。ノートに書くのとはまだ違った内容が書かれていくから自分でも驚いてしまった。これまでよりも、自分の心の中をえぐり出すことできたと思う。「書いて捨てる」習慣は当分続けて行こうと思う。当分というか、これは一生続けていってもいいかもしれない。

書いたものをどうやって捨てるのか。そんな些細なことも気になってしまうので、僕はさっそく手動のシュレッダーを買ってきた。ホームセンターで一番安かった1600円のもの。ハンドル部分がスムーズには動かなくて、ちょっと骨は折れるけど、ちゃんと紙を粉々に裁断してくれるので自分が書き出したものをその場でお手軽に屠ることができる。このシュレッダーくんもこんなにも「汚いもの」を裁断することになるとは夢にも思わなかったことでしょう。

ホームセンターでみつけた一番安いシュレッダー

ハンドルが重たいけど、安もんだからしょうがないかな