茹で蛙の盆踊り

茹で蛙の盆踊り

アラフォーサラリーマンが、まぬけな子育て話などをお届けします

激辛料理で生を感じる

しょーもない小ネタを書きます。

この前、スーパーで激辛カップ焼きそばを見つけたので買ってみました。激辛料理には目がないので、「ほうほうどんなもんかな」と思ったのです。

これには僕の慢心もありましたね。だいたい世間的に言う「激辛」まったく辛くないものが多いじゃないですか?「辛」という文字を使っていながら全然辛くないものばかりなので、この時の僕は「またまた、そんなこと言いながらどうせ大したことないんでしょ?」と高をくくっていました。

家に帰って実食

このときは、妻子が実家に帰っていたので僕一人でした。家に帰ると、ケトルでお湯を沸かしながら、その間に服を着替えます。

そして、着替え終わって手を洗ったくらいにちょうどお湯も沸きました。カップ麺を開けて、お湯を注ぎます。カップ焼きそばって久しぶりだからちょっと懐かしい感じがします。

僕が子供のころは、カップ焼きそばって、プラスチックの蓋がついているのが一般的で、それで湯切りをしていたね。その蓋がまた外れやすいので、湯切りの際に蓋が外れて麺が流しに落ちるという悲劇が結構ありましたね。最近のは湯切りの蓋 (というかシール?) がぴったりとカップに張り付いているのでそんな悲劇はこの地球上からなくなりました。あれを発明した人は本当に天才ですね。この世の中から不幸を一つ消してしまったのですから。

お湯を注いだら3分間待ってやろうじゃないですか。そして運命の湯切り。といっても、昔のような悲劇はもう起こり得ないので気楽なもんですね。

湯を切ったら、焼きそばソースわらかけます。激辛とうたっているだけあって、なんか普通のソースと粘性と色が違いますね。明らかに辛そうな色をしています。黒色のソースの中に唐辛子的な赤みが確認できます。

準備は全て整いました。テーブルまで焼きそばを持っていき、いざ実食!!箸で麺を掴み上げ、息をふーふー吹きかけて熱を取ろうとすると、唐辛子成分が宙を舞うなかすでに辛い感じが伝わってきます。

そして口に放り込む!パクッ…

 

……っっ辛ッッ!!なんじゃこれ!ホントに辛いやん!てか、痛い!!

 

正直、びっくりしました。「カップ焼きそばごときがそんな辛くないでしょうよ」と完全に馬鹿にしていましたので、不意打ちを食らったような感じです。伏兵にいきなり脇腹を刺されたような感じ。

面食らいました。食べてすぐに舌と口の中が痛みまくり、食を続けようと思う気が完全に削がれてしまいます。辛いっていうより、痛い!痛すぎる!!確かに最近辛いものを食べていなかったから、ちょっと辛さに弱くなっていたでしょうけど、それを考慮してもこれは痛すぎるだわ!

中本とかだと、ちゃんと辛い中にも旨さが感じられますけど、これにはそんな愛は感じられない!開発者がただ辛さのみを追求してカプサイシンを突っ込みまくったって感じです。なんなんだ、この暴力的な食べ物は…

あまりに口腔が痛過ぎて食べ切るのに30分以上かかりました。今思うと、わざわざ無理して食べなくてもよかったですね。うまいものじゃないから残してしまえばよかったと反省。

完食後も口の中がとにかく炎症しまくって痛い!!痛みに耐えられずにずっと氷を舐めていました。

なんなんだ、この焼きそばは… こんな強烈な体験をするなら開封する前に写真でも撮っておけばよかったな。こんな食べ物を作ったのはどころメーカーなんだか。

腸で生を実感

激辛な食べ物を食べた後の出来事は予想通りでございます。口の痛みが引いた後は、こんどは胃腸の出番です。「辛い塊」が少しずつ腸を下っていくのがわかります。カプサイシンがマーカー的な役割を果たしますね。食べ物が確かに体の中を巡っているということが実感できます。

腸を通過する時に痛みを感じ始めますね。そして、彼らの体を巡る旅が終わるとき、その時こそ覚悟の時です。

トイレにGO!!

トイレに駆け込み、激辛食品を食べてしまったことの贖罪をせんといかんです。やつらは既に肛門のすぐ近くまできています。もう我慢の限界です。トイレの蓋を開けてズボンを下ろすのとほぼ同じタイミングで大放出です。

苦しみからの解放。なんとも言えない至福のときですね(笑)。昔、どこぞの偉人が「セックスよりもウンチの方が気持ちいい」とか言っていましたが、僕もこれには同意するな(笑)。多分、苦しみからのというマイナス状態からの解放感がいいんだろうね。

で、出して解放感に浸った後も、腹痛は治らないからまた苦しむんですよね。これがまたいいですな。この救われない感じ。本当にヤバい時はトイレにいるのに「トイレに行きたい」という意味不明な感覚に陥る時もあります。

激辛なものを体外に出した後は… もう肛門が焼けるように痛い。口で苦しんだことを今度は肛門で経験するとは。入口と出口をこれでもかというくらい感じますね。

トイレから出た後も、しばらくは上手く歩けず、そしてトイレの遠くにはいけないです。いつでも出動できるようにトイレの近くにいなくてはなりません。

生きている!

どうしょーもないことを書いてしまいましたが、こんなことくらいでしか本当に生きている実感がわいてこない!なんてこったいですよ。

「生の実感がわかない」問題は、たぶん19世紀のヨーロッパあたりから始まったと思います。みんなでよってたかって神様をぶち殺してしまったあたりですかね。

近代という扉を開けてしまった代償に僕たちは生きる意味を失って久しいですが、未だにそれに答えるような科学技術も哲学も打ち出されていない。これは非常に大きな問題なわけなんですけど、今のところ解決される見込みはなさそうですね。だから激辛料理を食べて腹を壊しながら「俺は今生きている!」というアホな輩がわいてくるわけです。こんなこというと怒られちゃうかもしれませんが、戦争にいって死線をくぐって生を実感するのと基本は一緒かなと。

なんの疑問もなく自分の使命とか生きる意味を見出せた人はラッキーです。そうでない場合は、そういうものを人生をかけて探し出すか、そういうのに固執しないもう一つ上のステージにいくか、激辛料理を食って「辛い辛い!」って阿呆なことやるか、どれかですかね。

「あなたは何のために生きていますか?」この問いが目の前に大きく横たわっていてずっと苦しめられております。これに迷いなく答えられるだけの信念をもつか、これを超克する考えを打ち立てるといいんだけどなぁ。いかんせん考える頭が足りんです。誰か頭のいい人、教えて!答えがわかればもう辛いものを食べなくていいのに(笑)!!