茹で蛙の盆踊り

茹で蛙の盆踊り

アラフォーサラリーマンが、まぬけな子育て話などをお届けします

異世界おじさんにハマった

ラノベとかはあまり読んだことがないので、詳しくはないのですが最近よく「異世界もの」をよく目にしますね。異世界に転生しちゃうやつとかが多いんですかね。全く詳しくないので、間違っていたらごめんなさい。

先に謝っておきます!実はこれ系の作品のことを読んでもないのにちょっと軽蔑していました。「どうせくだらん作品だろ?」ってな感じで。いやー、完全に食わず嫌いしていました。ごめんなさい!

そんな私がなぜおじさんにハマった?

異世界おじさん」っていう作品があることは、前からちょこっと知っていたのですが全然気に留めていなかったです。「また異世界がうんちゃらやっておりますなぁ」ってくらいの感想しかもっていなかったですね。

ところが、たまたま岡田斗司夫が動画で異世界おじさんについて少しだけ言及したので気になってしまいました。「あの岡田斗司夫が称賛する作品なら間違いないだろう」ってな軽いノリで試しに観てみることにしました。

見る前は、

「まぁ、面白くなくてもアニメなら30分くらいだしいっか~」

っていう感じのノリでしたけど、しばらく観て…

「これおもしろ!!なるほど、異世界おじさんね!たしかにタイトル通り異世界のおじさんだわ!」

ってな具合に、手のひらをひっくり返したように作品をべた褒めです(もちろん独り言です)。個人的には、「斉木楠雄のψ難」以来の面白い作品でした。観ている作品数が全然少ないのであてにしないでくださいね(笑)。

ざっくりと作品を説明すると

高校生の時に事故で意識不明となって、それから17年間異世界ファンタジーに転生していたおじさんが、現世に戻ってきたという話です。これだけ読むと、「なんのこっちゃ?」という感じですが、その感想で合ってます(笑)。フィクションなのでそんなもんだと思ってください。

もう少し付け加えると、肉体は17年間意識不明で、おじさんの精神的なやつだけ、異世界に行っていたということらしいです。

17年も昏睡状態のおじさんを巡って、親族が醜い争いをして、結局意識を取り戻したおじさんを引き取ったのは甥っ子でした(謎)。

おじさんは、異世界で身につけた魔法とかが使えるので、このおじさんの "フォース" を利用して YouTuber として小金を稼いでいくという話です。(3話までは。その後はどうだかまだ知りません)

なぜこっちの世界でも異世界の力が使えるのかは謎ですね。

ドンピシャで同世代というか、同い年

この作品の何がいいかって、このおじさん、多分僕とドンピシャで同い年ですよ(笑)。

17歳の時に事故にあって、17年間昏睡状態で、2017年に目覚めた。2017年時点で34歳ってことは、あら僕と同い年か(笑)。

このアニメのおじさん、いやー、見た目が本当におじさんなので「僕もそんなおじさん世代になったんだなぁ」と改めて思い知らされるのです。

このおじさんは17年間時が止まっているので、出てくるネタもちょいちょい古臭くて面白いです。特にセガのネタが多く出てきますね。僕はセガサターンとかやったことがないのですが、もはやセガはネタ枠になっているんですかね。

昔は自分の生きていた時代がこれまでの歴史で一番新しかったわけですが(当然ですけど)、振り返ってみると自分の生きた時代が「遠い過去」になってしまうって、ちょっとしたショックです。子供のころはそんなこと想像していなかったですね。自分の生きた時代が古くなってしまうだなんて。今見てみると、モー娘。とかもめちゃくちゃ古いなぁって感じてしまいますもんね。ゲームだって、今は本物かと見紛うようなクオリティですけど、昔はバーチャファイターみたいな "カックカク" のCGでもみんな大興奮してたんですよね。「ヤバイ!3Dだ!」ってな感じで。もっというと、その前の時代はドット絵だけでも十分に遊べていたんですよね。たまごっちとかなんて、めちゃくちゃちっちゃい液晶に "点" が表示されているだけなのに、みんなそれに熱中していたんだから面白い時代ですね。

俺にとっては現実なんだ・・・!

この異世界おじさんの主人公は、ゲームオタクで、リアルでは人間 (特に女性) とお付き合いをあまりしていなかったような感じです。根暗で引きこもりな感じが好印象です。

そんな彼が、甥っ子の女友達に恋愛観を語るシーンがありました。その女の子は祖話がよもやゲームの話だとはつゆ知らず聞き入っていたのですが、ゲームの話だとわかると「なーんだ、ゲームかよ」と言わんばかりに白けてしまいます。

その時、おじさんは「自分にとっては現実なんだ・・・!」みたいなことを口走っていました。正確なセリフは忘れちゃいました。すみません。

これ、個人的にはお気に入りです。他人は「たかがゲームじゃないか」って思っているけど、彼にとってはそれがリアルであるんだと。これはいろいろ考えさせられますね。

昔は、「ゲームなんて現実逃避だ」みたいな考え方が割と主流だったと思います。「ゲームの恋愛ゲームなんて嘘だ」みたいなね。でも、じゃあ、そもそも現実っていったいなんなのよ?っていう話になると、これがかなり怪しい。

僕らはだたなんとなーく、現実と仮想現実があると思っているけど、この境界線って結構いい加減。人間は五感を通して感じて、そこから世界を勝手に構築しているだけなので、果たして今自分が見て感じている世界も本当にリアルかどうかなんて誰にもわからないですね。よく言われる、水槽に脳みそぽっちゃーんって使っていて、実は電極ぶっさされているだけみたいな、アレだったとしても、気づきようがない。

こういう世界観を実に分かりやすく表現したのが映画マトリックスですね。味もするし、匂いもするし、触感もあって、現実そのものなのに、マトリックスの世界にいる人たちは仮想現実に生きていますもんね。あそこまでリアルになってしまうと、自分が夢の中にいるのか現実にいるのかぐちゃぐちゃになってもうよくわからんですね。そして、僕らが生きている「現実」は実はかなり不安定でいい加減っていうのが真実に近いんだと。

マトリックスを作った監督たちは絶対仏教徒だろうなって勝手に思い込んでいます(笑)。仏教世界をハリウッド的に解釈したらあんな映像ができちゃった、みたいな。それか、2000年たって、ようやっとキリスト教系の人たちも仏教に追いついてきたと考えるべきなのか。

僕も昔は、ゲームとかはしょせん現実ではないと思い込んでいましたけど、いまなら断言できますね。あれも現実だと。リアルを感じているのであれば、それがドット絵だとうとなんだろうと、それは現実になっているんだと。

20世紀に入ってゲームやインターネットが出現してから、人間が妄想の中に生きているっていうのがわかりやすくなりましたね。昔の人は、いくら仏教の坊さんが「わしらは幻の中を生きておるんじゃ!」って説教したところで、瞑想訓練をした人じゃないとそんなことは理解できなかったのですけど、それが今や凡人でもそれが簡単に理解できる時代になりましたね。いやはや、すごいもんですよ。

アニメキャラに恋慕する人をみて気持ち悪く思う人がいますけど (すみません、昔の僕です)、なんもわかっちゃいないですね。あれは恋愛をしている人にとっては、現実世界として目の前に立ち上がっているから、遊びでも何でもないわけですよね。そして、生身の人間よりも雑味が少ないとなればそりゃあみんなバーチャルの世界から帰ってこられなくなりますよね。こういった流れは加速こそすれ、衰退することはないでしょうから、あと30年くらしたら生身の人間に恋する人の方が少数派になっているかもしれんですね。「え?カシワさんは人間が好きなんですか?!うわぁ、ちょっとキモイけどまぁ、好みは人それぞれだし、いいんじゃないですか」みたいな感じになってたりして。

おわり

技術の発展によって、バーチャルと現実の世界があいまいだと今ほどわかる時代はないですね。昔なんて極楽浄土を体験しようと思ったら、全国に荘園を作りまくって、百姓から収奪した挙句、さらに税金も払わないで私腹を肥やして、それでもってバカでかい寺院を建立して一流の仏師とか絵描きに極楽浄土を再現してもらわないとだめだったんですよね。それが今では、VRがあればなんでも現実的に体験できちゃう。

これだけ自分たちの見ている世界が脆いものだとみんなが理解しているにも関わらず、それでもまだ色んな雑事に心を縛られ苦しむっているのはこれはこれでなかなか面白いもんですね。やっぱり人間は苦しむようにできているのかな♪

あれ、異世界おじさんの話をしていたはずが・・・

 

仕事をやめるまであと612日