超繊細さんな気質なので、ついつい他人がどう思うかなんていうどうでもいいことばかりが頭の中を駆け巡ってしまい、なかなか自分の主張をはっきりと表明することができません。みなさんもそういうことありませんかね?今回は、そんなスーパー繊細さんが他人からの善為を受けた時の話です。
休みの日は、出来るだけ息子たちを妻から遠ざけてストレスを与えないようにしないとあかんなぁと自分なりに気を遣っておるつもりです。時にはそれが裏目にでることもありますけれども。
この日は長男 (5) を連れて昼ごはんに行きました。単純に「外に行こう」と誘ってもそっけなく断ることは目に見えていますので、モノで釣ってやりました。「ラーメンと餃子食べたくないかい?」ってきいてみたら、即答で「行く行く!ケンちゃん食べたい!!」と返ってきました。子供って、こういう時は調子がいいよねぇ。
長男を連れて、前から気になっていたラーメン屋さんに入ってみました。個人経営の小さめのカウンターは10席もなくて、あとはテーブル席が2つあるだけのこぢんまりとした内装でした。
お店の中に入ってすぐに席に着こうとしたら、食券を先に買うように言われました。食券システムのあるお店は何年もきたことがなかったのですっかり忘れておりました。そうだ、ラーメン屋にはこの素晴らしいシステムがあったんだ。楽ちんでいいですな、食券ってやつは。
店主からおまけをもらいました
久しぶりのラーメンで長男くんは待ちきれない様子です。まだ見ぬラーメンを想像しながらはやる心を抑えきれない。ラーメンだけでこんなにワクワクできるだなんて!
そして念願のラーメンが到着!
味噌が自慢のお店のようです。スパイスが強めで美味しかったです。長男もその味に酔いしれているようです。
人間はこんなにわかりやすく表現できるもんなんだねぇ。このノリなら中華一番の実写版に出られるな(笑)。
ラーメンが出されたときに、注文していない煮卵が息子のラーメンの上にのっかっていました。変だなと思うと、店主が息子のためにおまけでくれたらしいのです。まぁ、うちの息子はこの「おまけ」って言葉に反応しておもちゃでももらえるもんだと勘違いしてましたけど。
この心遣い、めちゃくちゃありがたいです。チェーン店では絶対にできないやつですね。店主が見るからにいい人で、話していても子供がめっちゃ好きなんだなぁってのが肌で伝わってきます。この卵をくれた行為に他意はないんですよ、単純に善意なんですよ。だから、だからこそ辛い…!!うちの息子は卵を食べない…!!昔は卵アレルギーだったから、卵は食べさせなれなかったんですけど、今はアレルギー反応も出なくなったので、ただ単に食わず嫌いというだけ。
うちの長男は食わず嫌いが激しくて、「これは嫌い」と認知した瞬間から頑として食べなくなってしまいます。こればかりは困ったもんでどうすればいいんだかわかりません。今回の卵も「白身のところだけでもいいから食べなさい」と言っても、一欠片も食べようとしません。うーん、どうしたもんか。
善意の断り方がわからんです
返報性の原理ってのがあるじゃないですか。何か他人にしてもらったら返さんとあかんなって思ってしまうやつ。これって、繊細さんな気質の人はより強く働くような気がします。で、ただでさえ何かをしてもらったら返さないといけないなと強く感じてしまうのに、どうしてこれを断ることができましょうか(笑)??少なくとも僕にはできんのですよ。
好意で卵のおまけをつけてくれたのに、「あ、うちの息子卵嫌いなんでいりません!」なんて断ることは僕にはできないし、現にできなかった!第一、人の好意を平気で踏みにじることが出来るやつは人でなしじゃないか(笑)?
相手の好意が純粋であればあるほど、断ることの難易度は釣り上がっていきます。今回は子供好きな店主が、うちの息子が喜ぶだろうと思って煮卵をつけてくれたということは明白なので、もう拒否するわけにはいかんのですよ。どうする、自分!
厨房をチラチラみながら、店主の視線がこっちから外れた隙を狙って、息子の丼から卵をサッと取り出して素早く飲み込む!!これしかないでしょう、誰も傷付かない方法は。僕にはこんなことしかできやせんでした。他に何がベターな方法があったら知りたい…!
食べ物の場合は色々とハードルが上がりますな
僕みたいにそんなにうだうだ考えるのは無駄だからそもそも考えない方がいいんでしょうけど、それでもちょっと考えてしまいます。例えば、今回のような食べ物の場合はもしかしたら生命の危機に関することになりかねないので。
僕はアレルギーといったら花粉症くらいなもんで、そんなに大したことはないんですけど、長男はピーナッツアレルギーを持っていて、これがなかなか危険らしいです。外出する時は基本的にエピペンを持ち歩いています。自分が食物アレルギーとは無縁の人間だっので、息子が生まれるまではそんなにヤバいもんだとは全く気付きませんでしたね。
まだ息子がピーナッツアレルギーだとわからなかったときに、ナッツ類の何かを食べて吐きまくったことがありました。子供用のカーシートがゲロまみれでそれはそれは後処理が大変でした。その後、アレルギーが判明して、その深刻さに初めて気付きました。今でこそ食品にアレルギー表示が義務付けられていますけど、僕が子供の頃(30年くらい前)ってそれほどアレルギーに対する理解がなかったと思いますし、30年経っても僕みたいにアレルギーと無縁だった人間はアレルギーに対する理解がなかったです。「色々と食べられなくて大変だなあ」くらいの感覚しかなかったです。しかしながら、我が子がアレルギーとなるやいなや、これは食べ物も人を殺しかねないなと急にビビるようになるわけです。よかれと思ってホイホイ子供に食べ物をあげるのは危ないなぁと。大人なら分別があるからいいですけど、子供なんて与えられたら取り敢えず口に入れちゃいますもんね。子供の場合は気をつけんとあかんですな。
まぁ、散々アレルギー云々書きましたけど、息子はもう卵アレルギーじゃないから、それは食べとけよって話ですけどね(笑)。
赤ちゃんの時は卵とか乳アレルギーになりやすいみたい。因みに、うちの次男坊は乳アレルギーです。赤ちゃんのくせに乳アレルギーかよって、笑っちゃいかんですけど。乳がダメだと、パンが食べられないので厄介ですね。牛乳が少ないパンを少しずつ食べてアレルゲンに慣らしていっております。超熟はあまり牛乳を使っていないから練習にはうってつけらしいです。知らなかった。
さて、どう善意を施せばいいんじゃい?
昨今はどんなことにもうるさく言う人がおりますからね。歴史上、こんなにも「正しさ」を求められている時代もないでしょう。僕みたいなちゃらんぽらんな人間には住みにくい世の中になったもんです。
さぁ、今回のラーメン屋さんの場合、どうすれば "正しく" 子供に卵のおまけをあげることができたのでしょうかね?
店主に「卵のおまけをつけたいのですが、好き嫌いやアレルギーなどはありますか?」なんて訊かれたら、うーん、これではいくら正しかろうても、店主の "粋さ" がゼロ!全くもって興ざめだねぇ。おまけってのは、サプライズ感があるからいいのに、こんなこと言われたら「はぁ… ありがとうございます…」としか言いようがないなぁ。やっぱ、さりげなく「おまけつけといたよッ」て言われたいね。
やっぱり過度に正しさや合理性を求めると違和感しかないですな。テキトーくらいがちょうどいいのかもね。