茹で蛙の盆踊り

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アラフォーサラリーマンが、まぬけな子育て話などをお届けします

差別的好意

この前、たまたま連続して外国人観光客に話しかける日本人を見かけました。

その時に思ったことを少し書こうと思います。

 

コロナが始まってから外国人の来訪がめっきり少なくなったようですが、最近また徐々に増えつつあるみたいですね。

僕の周りでも海外出張に行き始めた人がちらほらいますので、逆も然りなんでしょう。

確かに、実感としても外国出身と思われる方が増えたような気がします。

先日、駅前で妻たちを待っていた時に、白人系の観光客と思われる感じの男女二人組が必死になってスマホで何かを検索していました。

道に迷ったのか、電車がわからないのか、それともポケモンGOでもしていたのか。

僕はポケーっと待っていたのですが、そのうち若い女性がスタスタとやってきて、英語で話しかけました。ちょっと離れていたので何を話しているかはわからなかったですが、発音の感じからして英語ですね。

偉いですね、困っていそうな人を進んで助けようとするのは。こういうことは若い子の方がちゃんとできているような気がする。

さて、どうやら道に迷ったわけでもなんでもなかったようです。

助けようとした彼女からしたらちょっと拍子抜けだったかも。

ここで彼女の取った行為は100%善意だったと思います。しかし、果たして相手にとって本当によかったのかなぁとちょっと思うところもありました。

1. そもそも英語話者なのか

「外国人」=「白人」=「英語を話す」みたいな図式で捉えていることって結構多いです。

まぁ、確かに最近の若いヨーロッパ系の人はかなり英語に親しんでいるので大抵英語で受け答えてくれると思いますけど、ひょっとしたら日本人に毎回英語で話しかけられてうんざりしている白人もいるかもしれませんね。

なんでこんなことを言うかっていいますと、僕は欧米圏に行くと100%中国人と思われて、ニーハオって声をかけられます。

これね、相手が善意で言ってるって言うのがわかっているから余計対処し辛いんですよね。

わざと差別的に言ってくる場合もありますけど、幸い僕は経験したことはないです。

(一度だけ、明らかにアレな感じの黒人に「アイヤー」って拳法の真似をされたことがあります。露骨な差別はそれ1回ですね)

2. その人は本当に助けを必要としているか

そんなこといちいち考えていないで手助けすればいいっていうのはごもっとも。その通りだと思います。

「あ、白人だ」 >> 「観光客に違いない」 >> 「道に迷っているに違いない」 >> 「英語で話しかけてあげよう」っていう思考は、ひょっとしたら相手にとって迷惑になることがあるかも。

ドンピシャでそういう人に声をかけたんだったら問題ないですけど。

「日本に長く住んでいる白人」という可能性も大いにありますよね。特に、研究都市の周辺とかは学校関係者とか、留学生の白人が多くいると思います。

その人たちからしたら、いつまでたっても「よそ者扱い」を受けるということにうんざりとしているかも。それを逆手にとっている人もいるでしょうけど。

中には、日本語を習得してバリバリ日本語が話せるのに、いつもいつも英語で話しかけられる人もいることでしょう。そういう人たちにとっては、何年たっても仲間に入れてもらいのはちょっと辛いかもしれませんね。

3. アジア系の人にはやらないよね?

最近のアジア系の若い子も結構英語が上手ですね。

ちゃんと教育を受けた中国・韓国系の若い子はきれいな英語を使う人が多くてすごいなぁって思います。もちろん、中国なんて国が大きいから、そもそもアルファベットもろくに知らない人の方が多数でしょうけど。

観光客の母数でいったら、中国人・韓国人が圧倒的に多数ですけど、彼らに声をかけている人って僕は見たことがないなぁ。

まぁ、同じアジア人だから違いがわかり難いってのもありますけど(笑)。

例えば、英語をガンガン話していて、明らかに道に迷っているアジア系アメリカ人がいたとしても、声をかけてもらえるか微妙なところですね。

いいかげん「日本人」とか「外国人」とかめんどうですな

東京オリンピックあたりから「おもてなし」がどうのとか、またお上を中心に喧伝していましたけどどんなんでしょうね。

たしかに、日本に来たお客さんをおもてなしするという精神は素晴らしいんですけど、それってひょっとしたら「『私たちは日本人』、『あなたたちは外国人』、だから違いますよね」って線引きをしちゃっていないかなぁ。

ここに全く悪意がないのが厄介ですね。「おもてなし」という100%善意から差別が生まれる可能性があると。

善意だから、「それはダメだ」って絶対に言えないですからね(笑)。

日本も「開国」して150年以上経つんだから、もういい加減日本人だ外国人だって細かいこといわなくてもいいんじゃないかと。

もっというなら、戦国時代に開国しているし、もっというなら、足利義満のときも開国しているし、もっというなら遣唐使のときにも開国しているし、もっというなら聖徳太子のときにも開国しているし、さらにもっというなら稲作が伝播したときに開国していますでしょうに。2000年以上ずーっと開国しっぱなしなんですから。

グローバル化」ってよくききますけど、そんなものは有史以前からずっとそうなんであって、何をいまさらと。なので、もうこまけぇこたぁいいじゃないですかね。

おわりに

これまでの内容をひっくり返しますけど、まぁ善意の人助けはいいことなので、僕みたいにひねくれた考え方はしないでどんどんやっていった方がいいと思います(笑)。

訳のわからない論をこねくりまわしてもしゃーないですね。それよりも、目の前の誰かを一人でも助けた方がよいということで。

考えるより実際に動け!自分!

 

[蛇足]

僕は何故だかアメリカ人にちょいちょい道を訊かれることがあって、そのたびに「いやいや、俺は外からきたアジア人ですよ。お前の方が道知っとるやろ!!」って心の中で思っていました(笑)。

多人種多民族国家らしいですね。ぱっと見で何人かが本当にわからないから、基本的に相手が何人とかはあまり気にしないというのが面白いですね。

米国人「道教えて?」

僕「日本人です」

米国人「いいね!でさぁ、あそこに行くにはどうしたらいいのよ?」

僕「・・・」