茹で蛙の盆踊り

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アラフォーサラリーマンが、まぬけな子育て話などをお届けします

ブルシットジョブ

みなさんは連休をどう過ごされましたでしょうか?

久しぶりの三連休。夏休み直前ということもあり、みんなウキウキワクワクで過ごしたんじゃないかなと思います。

海に、川に、プールにと楽しみな季節でございますわね。(コロナだから行けるかどうかは分からんですけど)

超クソ真面目は私は三連休もずっと仕事のことを考えておりました。そう、ブルシットジョブについて!!

久しぶりに良書に当たった

「ブルシットジョブの謎」という新書を本屋で見つけてなんとなく買ってみました。ブルシットジョブとは、そのまんまなんですけど「クソどうでもいい仕事」です。

こんなのタイトルに付けられたらそりゃ買ってしまいますよ。「俺の仕事のことかよ!」って思いますもん(笑)。

これが、ここ最近読んだ本で一番の当たりでした。自分がずっと不思議に思っていたことを書いてくれて、「なるほどなるほど」と何度も膝を打ったものです。

頭のいい学者さんが人生のいくらかを費やして書き上げてくれた本をたったの1000円足らずで買えるなんて本当に素晴らしいですね。

この本はデヴィッド・グレーバーの「ブルシットジョブ」という本を翻訳した先生の解説書みたいな立ち位置なんですけど、わかりやすくまとまっていてよかったです。

ブルシットジョブとは

ブルシットジョブとは、その名の通り、クッソどうでもいい仕事のことなのですが、「ブルシット」には「クソ」意外に、人を欺いたりするっていう意味があるので、正確に日本語に訳せないみたいですね。

うろ覚えで書くので間違っていたらごめんなさい。ブルシットジョブとは、あってもなくてもどうでもいい仕事で、むしろやることによって有害にすらなる仕事のことらしいです。

その仕事がブルシットジョブかどうかは、結構主観的なもので、本人がそう認識しているかどうかによるそうです。

なぜ「シット」ではなくて「ブルシット」かというと、クソどうでもいい仕事とわかっていながらも、あたかもそうではないように装わなければいけない、人を欺かなきゃいけないからだそうです。

もうね、この本の序盤のブルシットジョブの定義を読んでいるだけで身を切り裂かれるような気分になりましたよ。

そのまんま自分のことやん!って。本を読みながら心はズタボロですよ。

ホント、あってもなくてもいいような仕事が多すぎやしませんか?

むしろそんな仕事ばっかりですよね。コロナでそういったのが結構炙り出されたと思うんですけど、「それ、いらなくね?」ってのばっかりです。

保管するためだけの書類を用意したり、謎の会議を行ったり、不要な資料をせっせと作ったり…

なんで効率化しているはずの世界でわけの分からん仕事ばかりあるのか…

ブルシットジョブが増えている

詳しいことは本書に任せるとして、このブルシットジョブが増えているのって、日本だけの現象ではないらしいですね。

そもそもこの研究を行った人がアメリカの研究者ですし。

人類の科学技術は飛躍的に進歩して、もうそんなに働かなくても生きていけるはずなのに、依然として長時間労働をしている。

これは不思議です。本によると、確かに農業とか工業とかの第一次、第二次産業に割かれる人員は減っているんですけど、そのかわりある人たちが増えてるそうです。

管理部門が急速に増えているんですって。

本質的なところの仕事は減っているけど、管理のための仕事が増えている。仕事のための仕事が増えちゃっていると… これってよくわかります。

とある会社の例

これはあくまで僕の空想です。妄想です。

ある会社があります。その会社は何年か前に合併しました。

お互いの会社で使っていたシステムが違ったため、膨大な資金た時間と人員を使ってシステムの統合を始めました。

違う会社が合併したのですから、お互いの需要に合うシステムを作るのは困難を極め、そして…まるでキメラのような複雑怪奇なシステムが出来上がったのでした。

そのシステムにデータを入力するのにこれまでの数倍の人手が必要となり、データを打ち込んでも取り出しにくいから結局自分でデータをエクセルにまとめるという笑えない状況が発生してしまいました。

昔は一人いればできていた仕事が、今では数人がかりで対処しないといけないという、何とま素晴らしい効率化に大成功です。

管理の効率化を目的としたつもりが、膨大な金をかけて、超非効率化するというわけのわからん事態を生み出すという…

あくまでこれは空想ですけど。(空想であってほしい…)

こんな例は世界中どこにでもあるでしょうね。よく分からん仕事が増えるケース。

昨今はコンプラだガバナンスだと色々うるさいので、わけの分からん仕事は今後も増えるでしょうね。

本では触れられていなかったけど気になる

本書では「ブルシットジョブに苦しんでいる人」について色々と言及されていました。

どうでもいい仕事をすることは、精神衛生上、非常によろしくない。

これは僕もよーくわかります。

意味もなく「穴掘って埋める」みたいな仕事をやっていると発狂しそうになります。

繊細さんの気がある人は「自分がどうでもいい仕事で金をもらっている」という事実に罪悪感を覚えて本当に死にたくなるもんです。

僕が気になるのは、案外ブルシットジョブをやっていても平気な人、そもそもそれをブルシットジョブだと感じない人がいるということです。

これについては本では言われていなかったんですけど、割と身の回りにいるなぁと。

これがブルシットジョブの定義が「主観的」になる理由なんでしょうけど。

何の仕事もないのに、子会社に天下って一日中新聞を読むだけとか。

子会社に利益を落とすためだけに謎の商流に組み込まれるとか。

わけの分からん伝言ゲームをするとか。

意味のない稟議書を書くとか。

僕はこういう「作業的な仕事」が大嫌いで、やっていると鬱になりそうなんですけど、それが「仕事だ」って思える人も結構いるんですよね。

そんな「作業ゲー」ばっかりやって「いやー、ホント忙しくて人手が足りないよぉ」って結構本気で言ってる人が多いように感じます。

何だかなぁ、いつも通り僕の感覚が世間様とズレているんかもしれんけど。

これは僕の直感なので論拠はないけど、ブルシットジョブに苦しむ人と同じくらい、ブルシットジョブに満足している人もいるような気がします。

その辺の研究を誰かしてくれないかなぁ。「ブルシットジョブが屁でもない人々」みたいな感じで。

さてと、ブルシットジョブを早く卒業するための策を今日も練りますかね。